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  • 執筆者の写真三木雄斗

奥歯3本を纏めて一気に治療。

こんにちは。

最近悲しくなるようなニュースが続いていますね・・・。

こういうときほど明るくてほっこりするニュースを聞きたいものです。


さて、ここ最近遠方からの初診の方や歯科医療従事者からの問い合わせが非常に増えております。

また初診数増加に伴い、急患対応も多くなってまいりましたので、再度ご案内させていただきます。


【当院での初診の取り扱いについて】

当院は現在、予約の患者さんで3~4週間先まで完全に埋まっている状況になっております。

急患の場合は、コロナ渦も相まって、可能な限りお待ちいただかないよう予約の患者さんの治療内容等を考慮し、日時を指定させていただいております。

従って、どうしても「この曜日のこの時間で」などの希望される日時が限定的な場合は通常の予約をお願いしております。


皆様お仕事や私生活がお忙しい中、3~4週間お待ちいただいた上で予約を取っていただいております。

無理に初診の方の希望に対応することで予約の患者様の治療に影響を及ぼすことは、当院が目標としている「公平公正な医療の提供」には反してしまうと考えております。

痛みがあるなどの急を要する場合は、通常の予約枠ではないため希望の時間のご案内ができかねることを予めご了承ください。



さて、本日の症例写真もダイレクトボンディングについてです。

今回は都内某所より3時間近く掛けて通院してきてくださってる方の治療です。

では、医療法(医療広告ガイドライン)の兼ね合いで毎回書いている内容をまた今回も記載したいと思います。


ダイレクトボンディングのメリットは

・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。

・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。

・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)。

・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。


です。


逆にデメリットとしては、

・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる。

・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。

・保険が使えない為、高額(当院では4万円+税です)。


材質的なデメリットは非常に大きいのですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。


1回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。


私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。


20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。

ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。

(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)


例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。


逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。


もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…


少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。


で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。


また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。


だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。


当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。


先日来院されてから自費診療を希望された方がいらっしゃったのですが、保険と自費の治療ではその予約時間が大きく異なりますので、本数が制限されてしまい、来院回数が増えてしまうことがあります。


ですので、次回予約の際には「自費診療希望である旨を伝えておいていただければ幸いです。」


では術前の写真からです。



アマルガムといわれる非常に古い金属が詰められています。

詰め物というのは硬化させる際に硬化収縮といって小さくなってしまうのが一般的です。

そのため、小さくなることで隙間ができ、そこから細菌感染が生じてしまうというデメリットがあるのですが・・・

アマルガムの場合、逆で硬化によって膨張します。

そのため、隙間が出来づらく虫歯が出来づらいというのがメリットなのですが・・・

実はこの膨張によって歯に亀裂が加わり、その結果そこから虫歯になってしまうということが多々あります。


そのためアマルガムの治療介入についてはタイミングが非常に大事になってきます。

今回のようにあからさまに虫歯になっているようであれば普通に治療介入すべきですが、アマルガムが入っている歯に亀裂が加わっている場合も同様に治療すべきであると私は考えております。


口の中に入っている金属が通常のパラジウムなどの詰め物なのかアマルガムかは歯科医師であれば一目でわかりますので、ご不安な方は一度お近くの歯科医院を受診してみてください。


さて症例に話を戻して・・・

虫歯が見やすくなったのがこちらです。



あからさまに黒いのがわかりますよね?

歯の表面にはエナメル質という層がありますが、その層は透過性が高いため、中の黒い部分が透けて見えていたというわけです。

一番右側の歯についてはエナメル質の感じ的に内面の象牙質部分はほとんどなくなっていると術前の段階で予測できるほどでした。


そして虫歯を取り切ったのがこちらです。



一部着色層は残っていますが、虫歯の部分はすべて取り切れています。

通常であればこの着色層も除去したほうが接着としては有利なのですが・・・

今回それを行ってしまうと神経を抜く危険性があると判断し、一部残しています。


また予想通り、一番右の虫歯はほぼ象牙質が残っていない状況でした。

通法通りこの歯を治療するのであれば全く問題のない神経を抜いた上で全周削って被せ物を入れるしかないです。

また残存している歯の位置的に通常の金属やセラミックの詰め物(インレー)を入れた場合は長期予後は期待できずに歯が割れてしまった危険性が非常に高いです。


そうなると歯の寿命は一気に短くなってしまうので、そういう点でも今回はダイレクトボンディングがベストチョイスでしたね。


そして治療終了後の写真がこちらです。



いかがでしょうか?

比較的違和感なく詰められたかと思います。

個人的には真ん中の歯の溝の色に合わせてステイン(人工的な着色)を入れられたのがよかったかと思います。



術前術後の比較の写真はこちらになります。


3本を一気に1日で終了完了できるのはダイレクトボンディングの非常に大きなメリットの一つですね。

長時間になる分、患者さんも私も疲れてしまうのがネックですが(;^_^A


長時間の通院・治療お疲れさまでしたヽ(゚∀゚)ノ パッ☆

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