ダイレクトボンディング
と
コンポジットレジン修復
質問が多いため、自費のダイレクトボンディングと保険のコンポジットレジン修復の当院での違いを記載します。
自費のダイレクトボンディングと保険のCR修復、どちらを選ぶべきでしょうか?
当院におけるむし歯治療で使われる白い詰め物には、
「保険適用のコンポジットレジン修復」
「自費診療のダイレクトボンディング」
の2種類があります。
どちらも白い材料で歯を修復する方法ですが、当院ではそれぞれの治療目的とゴールが異なると考えています。
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保険のCR修復:主な目的は「機能の回復」です。保険制度の範囲内で、むし歯によって失われた部分を補い、まずはしっかりと噛める状態に戻すことを目指します。費用を抑えて、手軽に白い詰め物で治療したい方におすすめです。
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自費のダイレクトボンディング:機能の回復はもちろんのこと、「治療後の歯を、より長く健康で美しく保つこと」を最大の目的としています。費用はかかりますが、1回の治療の質を最大限に高め、再治療のリスクを可能な限り低減させたい、そして天然の歯と見分けがつかないほどの自然な見た目を求める方におすすめの治療法です。
なぜ、ダイレクトボンディングは「長持ち」で「美しい」のか?
その理由は、治療にかける「時間」と「プロセス」、そして「使用する材料」の全てに違いがあるからです。
当院では、接着修復は全てのステップを丁寧に行うことで、初めてその効果を最大限に発揮できると考えています。ダイレクトボンディングでは、保険診療の約2倍の時間をかけて、以下のステップを一切省略することなく実施します。

1
防湿方法
保険診療ではZoo
自費診療ではラバーダム防湿
唾液や呼気に含まれる水分や歯茎からの出血、細菌を完全に遮断。接着力を最大化させ、詰め物の隙間から再びむし歯になる「二次虫歯」のリスクを劇的に低減させます。まさに最高の予防処置です。
接着力:30%向上
2
象牙質への処理
保険診療では省略
自費診療では省略せず
前処理剤を使用することで歯の内部にある象牙質との接着力を大きく高め、詰め物の脱離や隙間からの二次虫歯を防ぎ、歯を内部から守ります。
接着力:78%向上
3
接着剤
保険診療では1液性
自費診療では2液性
プライマーとボンドが分離した2液性接着システムを使用することで、簡便な1液性システムよりも高い接着強度と長期安定性を示し、結果的に目に見えないレベルでの細菌の侵入経路を断ち切ります。
接着力:40%向上

4
使用レジン
保険診療では2色
自費診療では4色以上
天然歯が持つ複雑な色合い(透明感や内部の色)を再現し、自然な見た目を実現します。
また保険適用外の研磨性の高いレジンを用いることで艶なども天然の歯に近いレベルに持っていくことが出来ます。
審美性の向上
5
裏層材
保険診療では通常のレジン
自費診療では短繊維強化型
歯の内部構造を補強し、咬む力から歯を守ることで、歯が割れるリスクを低減させます。
破折耐性:80%向上
6
色調の再現
保険診療では省略
自費診療では省略せず
歯の微細な模様や歯の溝の色、ひびなどを再現し、隣の歯と調和させます。
これが無い歯は前後とのバランスが悪くなり違和感が出てしまう原因となります。
審美性の向上

7
研磨
保険診療では中研磨まで
自費診療では仕上げ研磨まで
適切に仕上げ研磨することで表面が平滑になり、プラークの付着や着色・変色を抑えて光沢が向上します。また、表面粗さの低減により審美性が高まるだけでなく、表面劣化や亀裂の発生も抑制され、辺縁の適合性が良好に保たれます
審美性と予後の向上
8
最終重合
保険診療では省略
自費診療では省略せず
レジンの特性に酸素による重合阻害があります。そのため治療の最終段階で酸素を排除し最終重合を行うことで、レジン表層の硬度が向上します。その結果、表面の耐摩耗性・耐久性が増し、辺縁部の適合性も改善されます。
表層の硬度:60%向上
ダイレクトボンディングの保証について
当院のダイレクトボンディングには、あらかじめ設定された保証期間はありません。
それは、上記のプロセスを経て行った治療に絶対的な自信を持っているからです。
しかし、万が一・・・治療後2年以内に破折などが起きてしまった場合は、それはコンポジットレジンという材料の限界を超えた咬合力がかかっている可能性が高いと判断します。
その際は、より強度の高いセラミッククラウンへの移行をおすすめしますが、その際にはダイレクトボンディングで頂戴した費用を差し引いた価格でご提供させていただきます。
定期的な研磨を行うことで表面の艶を維持することが出来、その結果汚れの付着を予防し、治療した歯を長持ちさせる最良の方法となります。
そのため上記の対応は、治療後も定期的なメンテナンスで当院のケアを受けていただいている患者様に限らせていただきます。