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  • 執筆者の写真三木雄斗

右上小さい奥歯の白い詰め物

あけましておめでとうございます。

新年早々、再度緊急事態宣言が発令になりましたね・・・。


医科分野の方は止められないため、今後は行政からの休診依頼などが無い限りは続けて診療を行っていくこととします。


我々が医療従事者として出来ることは今まで同様、感染対策に力を入れ、通常の診療を続けていくことかと思いますので、引き続き頑張っていきたいと思います。





さて、本日はダイレクトボンディングについてです。

最近はHPを見てダイレクトボンディングを希望するという一般の患者さんが増えてきました。

また私自身もダイレクトボンディングのセミナーを依頼される機会が増えてまいりました。

これまで以上に、法令順守を意識し、ルール違反を行っていかないように歯科のみならず、法律の勉強も進めていかなければならないと思っております。


では、医療法の兼ね合いで毎回書いている内容を今回も記載したいと思います。



ダイレクトボンディングのメリットは

・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。

・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。

・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)

・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。

です。



逆にデメリットとしては、

・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる

・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。

・保険が使えない為、高額(当院では3万円+税です)


材質的なデメリットは非常に大きいんですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。


一回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。




私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。

20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。

ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。

(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)



例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。

逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。


もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…



少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。


で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。




また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。


だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。



当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。




さて、では実際の症例の方に移ります。


自費の金合金と呼ばれる詰め物が詰められています。

こちらは非常に適合をよくすることが出来、素材的にも虫歯になりづらいという非常に多いメリットがあります。

ですが、金属色の為、非常に見た目が悪くなってしまうというのと、あるテクニックを使用しないとやはり虫歯になってしまう可能性がある、非常に難しい治療の1つです。


今回の患者さんは入れた金属が見た目が気になってしまい、交換したいとのことでした。


虫歯などの疾病ではない歯の治療は「審美治療」に該当するため、保険内で行ってはいけないものになります。


「金属の部分を保険で白くしてほしい」と言われることがありますが、これを保険で行うのはルール違反となりますのでバレると保険医を停止させられてしまう恐れがあります。


そこまで危険な橋を渡って治療したがる歯科医師は少ないと思いますが、患者さん側でもそれはダメなことなんだというのを覚えておいていただけると助かります。



では、金属を除去し、セメントの除去もしっかりと終えた状態がこちらです。

軽く虫歯になっていましたが、そこまで深いわけではありませんでした。


歯との間が非常に広いので、通常のダイレクトボンディングに比べると難易度の高い状態ですね。



そして詰め終わったのがこちらです。


いつもの私のデザインと歯少し違いますが、反対側の歯と同じデザインを意識しました。


良い感じに再現できたと思います。


あとはこの治療が長持ちしてくれることを祈るだけですね。


遠くからの来院と、長時間の治療、お疲れさまでした!

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