こんにちは。
12月に入りました。
これで医院継承から5年目に突入しました。
継承当初はもともと通院していた方しかいらっしゃっていない状況でしたが、ようやく最近は新規の患者さんのほうが増えてきて、うれしいことに通院時間が1時間以上掛かってでも通院したいという方が増えてまいりました。
今後とも研鑽を続けてまいりますので、当院をよろしくお願いいたします。
さて、ここ最近遠方からの初診の方や歯科医療従事者からの問い合わせが非常に増えております。
また初診数増加に伴い、急患対応も多くなってまいりましたので、再度ご案内させていただきます。
【当院での初診の取り扱いについて】
当院は現在、予約の患者さんで3~4週間先まで完全に埋まっている状況になっております。
急患の場合は、コロナ渦も相まって、可能な限りお待ちいただかないよう予約の患者さんの治療内容等を考慮し、日時を指定させていただいております。
従って、どうしても「この曜日のこの時間で」などの希望される日時が限定的な場合は通常の予約をお願いしております。
皆様お仕事や私生活がお忙しい中、3~4週間お待ちいただいた上で予約を取っていただいております。
無理に初診の方の希望に対応することで予約の患者様の治療に影響を及ぼすことは、当院が目標としている「公平公正な医療の提供」には反してしまうと考えております。
痛みがあるなどの急を要する場合は、通常の予約枠ではないため希望の時間のご案内ができかねることを予めご了承ください。
さて、本日の症例写真もダイレクトボンディングについてです。
今回は都内世田谷区から2時間半掛けて通院してきてくださってる方の治療です。
では、医療法(医療広告ガイドライン)の兼ね合いで毎回書いている内容をまた今回も記載したいと思います。
ダイレクトボンディングのメリットは
・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。
・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。
・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)。
・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。
です。
逆にデメリットとしては、
・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる。
・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。
・保険が使えない為、高額(当院では4万円+税です)。
材質的なデメリットは非常に大きいのですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。
1回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。
私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。
20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。
ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。
(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)
例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。
逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。
もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…
少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。
で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。
また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。
だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。
当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。
先日来院されてから自費診療を希望された方がいらっしゃったのですが、保険と自費の治療ではその予約時間が大きく異なりますので、本数が制限されてしまい、来院回数が増えてしまうことがあります。
ですので、次回予約の際には「自費診療希望である旨を伝えておいていただければ幸いです。」
では術前の写真からです。
画像内左側の2本が今回手を付ける部位になります。
金属の詰め物・白い詰め物がそれぞれ入っていますが、黒い部分がすでに目立っていますね。
形を見る限り、それぞれの詰め物がかけた場所から内面に虫歯が入り込んでしまったようです。
金属と白い詰め物のみを除去したのがこちらになります。
表立って見えていた部分は実はそこまで深くなく、別の場所のほうが深い状況でした。
レントゲン上でも見えていたので、もちろん術前の診査である程度の予測がついている状態ではありますが・・・
(レントゲンでのう蝕検出率は最も高いといわれている咬翼法ですら50%前後です。
そのため、レントゲンだけで神経の治療の有無や虫歯の治療の有無・歯を抜くべきかどうかの判断することはできないです。)
実際に見ると相当深くなっているという予測が簡単にできる状況でしたね。
虫歯を取り切ったのがこちらになります。
ところどころ色がついてしまっている場所がありますが、ここは虫歯ではない部分になります。
通常はこの場所も綺麗に取り切ったほうが接着としては有利になるため、術後疼痛や予後がよくなるのですが・・・今回は深すぎたため、ここを取り切ると神経に到達してしまう危険性があったため、可及的に除去し温存しておくこととしました。
そして詰め終わったのがこちらになります。
自然な形態と色味に仕上げることができたかと思います。
詰めた個所が歯の乾燥により分かりやすくなってしまっていますが、1週間ほどすれば色はあってきてもう少し分かりづらくなってくるはずです。
術前術後の写真がこちらになります。
私がほぼ初手の介入だったということもあり、非常に多くの歯を温存できたかと思いますので、かなりの長期予後が期待できるかと思います。
今後も定期検診を通して、お口の中の健康を管理させていただきますね!
長時間の通院および治療、お疲れさまでしたヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
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