歯質を温存しながら左上の臼歯3本をダイレクトボンディングで修復|左上4・5・6 同日治療 症例

院長 三木雄斗
三木 雄斗(Yuto Miki, D.D.S.)
坂寄歯科医院 院長・歯科医師|ダイレクトボンディングをはじめとした保存科全般が得意な一般歯科医師
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経過観察していた左上5番 近心のむし歯が象牙質の半ば(1/2程度)まで進行したため、左上4・5・6番の3本を同日にダイレクトボンディングで修復した症例です。健康な歯質を最大限残すことを優先したため、隣り合う歯との接触が緊密になりラバーダム(防湿用のシート)が入りにくい場面もありましたが、器具を工夫して防湿環境を確保し、精密に接着処理を行いました。

治療概要

主訴 経過観察していた左上5番 近心のむし歯が進行してきたので、ダイレクトボンディングで修復したい(患者さんは歯科医師)
診断 左上5番(上顎左第二小臼歯)近心の象牙質う蝕。あわせて左上4番(同第一小臼歯)の初発う蝕、左上6番(同第一大臼歯)の二次う蝕(再治療)を確認
治療内容 左上4・5・6番のダイレクトボンディング(3歯/ラバーダム防湿下。左上6番は再治療、左上4・5番は初回治療)
治療期間・回数 1回(約75分枠)
費用(税込) ¥150,000(3歯/1歯あたり¥50,000)
リスク・副作用 経年的な変色・摩耗/強い衝撃での欠け(修理可能な場合あり)/術後の一過性の知覚過敏/色調・形態の個人差/定期的なメンテナンスが必要

 

東京都内からお越しの30代女性(歯科医師)の患者さんです。

もともと経過観察をされていた左上5番(上顎左第二小臼歯)近心のむし歯が、象牙質の半ば(1/2程度)まで進行してきたため、ダイレクトボンディングでの修復をご希望とのことで来院されました。診査の結果、左上5番に加えて、隣の左上4番(第一小臼歯)にも初発のむし歯が、左上6番(第一大臼歯)には以前の詰め物の下に二次う蝕(再治療が必要な状態)が確認されたため、ご相談の上で左上4・5・6番の3本を同日にダイレクトボンディングで修復することになりました。

 

 

■ ダイレクトボンディングとは?

まず、今回行った治療についてご説明します。

ダイレクトボンディングとは、歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を直接お口の中で歯に盛り付け、天然の歯に近い形や色を再現しながら修復する治療法です。

銀歯などの詰め物と異なり、歯の色に合わせて治療できるため、治療跡が目立たず自然な見た目に仕上がります。

似たものに保険のコンポジットレジン修復があります。どちらもプラスチックを使用した治療方法のため、強度や物性に大きな違いはありませんが、予後には大きな違いがあります。

その違いについては以下のリンクをご覧ください。

▶ 保険のコンポジットレジン修復と自費のダイレクトボンディングの当院における違いはこちら

 

▼ 治療の経過(写真)

 

左上4・5・6番のダイレクトボンディング同日修復症例(術前・う蝕明示・う蝕除去・ラバーダム防湿・咬合調整研磨後)の写真コラージュ|坂寄歯科医院
写真内訳:術前(左上4・5・6番)/う蝕明示(むし歯の範囲を確認)/う蝕除去後/ラバーダム防湿下での接着操作/咬合調整・研磨を経た修復完了後

 

■ 本症例の経過

本症例で最も大切にしたのは、健康な歯質を可能な限り温存することです。むし歯に感染した部分は拡大視野で確認しながら確実に除去しつつ、健全な歯はできる限り削らずに残す方針で進めました。

ただ、歯質を多く残すと隣り合う歯との接触(コンタクト)が緊密になり、ラバーダム(防湿用のシート)をかけるのが難しくなるという側面もあります。本症例でも、左上5番と6番の間ではラバーダムが破れてしまう場面があり、左上4番と5番の間もかなりタイトな状態でしたが、こちらは無事にかけることができました。器具を工夫しながら接着操作に支障のない防湿環境を確保し、乾燥した状態で各工程を丁寧に進めています。

左上6番は以前の詰め物の下に二次う蝕が生じていた「再治療(リトリートメント)」の歯で、感染歯質を除去したうえで改めてダイレクトボンディングで修復しました。左上4番・5番は初回の治療です。3本とも歯質がしっかり残っており、接着の各工程も丁寧に行えたため、長く機能してくれることが期待できる状態に仕上がりました。

修復後は隣接面のコンタクト(隣の歯との接触)を適切に付与し、咬み合わせを調整して研磨まで行い、フロスの引っ掛かりがないことを確認しています。

本症例を自費診療(75分枠)で行ったのには理由があります。保険診療には1回あたりに割ける時間に制約がありますが、自費診療では1本ずつにしっかりと時間を確保できます。そのぶん、健全な歯質を傷つけないように慎重にむし歯だけを除去し、ラバーダム防湿や接着の各工程を一つひとつ丁寧に進められます。結果として「むし歯は確実に取りつつ、健康な歯はできる限り残す」ことを高い精度で両立しやすくなります。本症例で歯質をしっかり温存できたのも、こうした時間的な余裕に支えられた部分が大きいと考えています。

 

歯質を温存することを最優先に進めた症例です。むし歯はしっかり除去しつつ、健康な歯はできる限り残すことに全力を注いだ結果、5番と6番の間ではラバーダムが破れてしまう場面もありました。4番と5番の間もかなりタイトでしたが、そちらはなんとかかけることができました。歯質がしっかり残っており、接着の各工程も丁寧に行えたので、かなり長く持ってくれると考えています。「むし歯はしっかり取る、でも健康な歯は削りすぎない」——この両立を毎回大切にしています。

— 坂寄歯科医院 院長・三木 雄斗

 

歯質を残すことと、確実な接着のための防湿を両立させるのは、一見すると相反する難しさがあります。それでも「削りすぎない」ことを優先しつつ器具や手技を工夫することで、歯を長く使える可能性を高められると考えています。二次う蝕の発見が早いほど削る量を最小限に抑えられますので、詰め物の下の変化を見逃さないためにも、定期的な検診が大切です。

 

※治療写真について

掲載している写真は、治療内容をイメージしていただくための一例(症例)です。お口の状態やむし歯の大きさ、噛み合わせ、生活習慣などにより、仕上がりや経過には個人差があります。

また、写真はできるだけ同じ条件(角度・距離・照明など)で撮影し、治療内容を誤解なくお伝えできるよう配慮しています。

本ページでは、写真とあわせて治療内容/治療期間・回数/費用/主なリスク・副作用も同一ページ内に記載していますので、あわせてご確認ください。

 

 

■ 当院のダイレクトボンディング治療における「こだわり」と「強み」

 

当院がダイレクトボンディング治療において、特に大切にしていることをご紹介します。

 

1. 歯を最大限守ることを最優先します

治療の基本は、ご自身の健康な歯を可能な限り残すことです。当院では精密な治療を可能にする10倍の拡大鏡(ルーペ)を使用し、虫歯に感染した部分のみを正確に、そして最小限に除去します。健康な歯を削りすぎることがないよう、細心の注意を払って治療を進めます。

 

2.「接着」技術への深い知見に基づいた治療

ダイレクトボンディングの予後(治療後の経過)は、いかに歯と詰め物を強力に「接着」させるかにかかっています。実は私(院長)は、歯科医師向けにダイレクトボンディング治療の指導も行う講師でもあります。「接着」に関する深い知識と技術に基づき、接着力を最大化するための全ての工程を丁寧に行うことで、治療した歯の耐久性を高め、詰め物が外れたり、隙間から虫歯が再発したりするリスクを最小限に抑えます。

 

■ 治療の詳細情報 【治療内容】

ダイレクトボンディング法による歯の修復治療(左上4・5・6番/計3歯)

 

【費用】 1歯あたり 50,000円(税込)

※本症例は【3歯】のため、合計【150,000円(税込)】です。

 

【治療期間】 1回(約75分枠)

 

【治療におけるメリット】

自然な見た目: 周囲の歯の色や形に合わせ、治療跡がほとんど分かりません。

歯を削る量を最小限に: 虫歯の部分だけを削るため、健康な歯質を最大限温存できます。

1日で治療完了: 型取りが不要なため、お口の状態によっては複数本も1回の通院で治療でき、お忙しい方にも適しています。

再感染リスクの低減: 仮の蓋をする期間がないため、治療中に歯が細菌に汚染されるリスクを防げます。

金属アレルギーの心配なし: 金属を一切使用しないため、アレルギーの心配は少ないと考えられます。

修理がしやすい: 部分的に欠けたりすり減ったりした場合でも、その部分だけを修理することが可能です。

 

【リスク・副作用】

経年により変色したり、磨耗したりすることがあります。

強度が天然歯より劣るため、硬いものを噛んだ際にまれに欠けたり割れたりすることがあります。

治療後に一時的な痛みや知覚過敏(歯がしみる症状)を生じることがあります。多くは時間と共に落ち着きます。

深い虫歯の場合、歯の神経の治療が別途必要になることがあります。

歯質を温存した結果、隣接面の接触が緊密でラバーダムが入りにくい窩洞では、適合や予後が防湿環境に左右されるため、状態によっては被せ物など他の方法をご提案することがあります。

 

 

■ 院長の治療方針:「歯の治療は回数券」

歯の治療は「回数券」のようなもの

歯科治療は、一度治療をした部位が永久に持つわけではありません。

時間の経過や日常生活の中で必ず劣化が進み、再治療が必要になる時がきます。

私はよく患者さんに「歯の治療は回数券のようなもの」とお話ししています。

仮に歯の寿命を「20枚綴りの回数券」に例えます。

この「消費枚数」が少ないほど、残りの歯質を長く使える可能性が高まります。

【ダイレクトボンディングの価値】

たとえば、ダイレクトボンディングで1回の治療が5年持った場合、クラウンと同じ消費枚数(5枚)に達するまでに25年かかる計算になります。

もちろん、これはあくまで例えであり、実際の持ち具合はお口の状態や生活習慣によって大きく変わります。

大切なのは「治療が必要になった際に削る量をできるだけ少なくし、歯質を残す」こと。

歯は削る量が増えるほど再治療の難易度が上がり、持ちも悪くなる傾向があります。

本症例で歯質の温存を最優先したのも、この考え方に基づいています。

 

【当院での治療の流れ】

当院は保険医療機関ですので、非常に小さなむし歯の場合は、保険適用のコンポジットレジン修復で対応します。

しかし、より精度や持ちにこだわりたい場合は、自費診療のダイレクトボンディングをご選択いただくことも可能です。

自費診療は保険診療に比べて予約時間を長く確保するため、1回の来院で治療できる本数が限られます。

そのため、ご希望の場合は初診や予約時に「ダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけるとスムーズです。

 

■ このような方におすすめの治療法です。

 

ご自身の歯の状態がダイレクトボンディングの対象となるか、また治療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。実際に適応可能かどうかは噛み合わせなどを含めて総合的に判断させていただきますので、初診時に判断させていただきます。

 

※自費診療をご希望の場合は、十分な治療時間を確保するため、ご予約の際に「自費のダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけますとスムーズですが、 初診時に治療は行いませんので、その点はご注意ください。

 

 

■ よくあるご質問

 

Q. ダイレクトボンディングとは何ですか?

歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を直接お口の中で歯に盛り付け、天然の歯に近い形や色を再現しながら修復する治療法です。型取りが不要で1回で治療が完了します。

 

Q. 複数本のむし歯を1回でまとめて治療できますか?

自費のダイレクトボンディングは1回の予約時間を長く確保するため、お口の状態によっては複数本をまとめて治療できる場合があります。本症例では左上の3本を1回(約75分枠)で治療しました。ただし、防湿のしやすさやむし歯の深さによって1回で治療できる本数は変わりますので、診査の上で判断します。

 

Q. 健康な歯を多く残すと治療が難しくなることはありますか?

歯質を温存するほど隣り合う歯との接触(コンタクト)が緊密になり、ラバーダム(防湿用のシート)が入りにくくなることがあります。その場合でも器具を工夫して防湿環境を確保できれば、歯を多く残したまま精密な接着が可能です。当院では歯を残すことと確実な接着の両立を大切にしています。

 

Q. CRや詰め物の下にむし歯(二次う蝕)ができるのはなぜですか?

詰め物と歯の境目に微細な隙間が生じると、そこから細菌が入り込み二次う蝕が発生します。接着技術が不十分だったり、経年劣化で隙間ができたりすることが原因として挙げられます。定期検診で詰め物の下の変化を早期に発見することが大切です。

 

Q. ダイレクトボンディングはどのくらい持ちますか?

適切な接着処理と定期的なメンテナンスを行えば、長期間の維持が期待できます。ただし、お口の状態や生活習慣によって個人差があります。当院では治療後も定期検診でのフォローを行っています。

 

 

⚠ ご注意
本症例は特定の患者さんの治療経過であり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
治療効果・経過・費用は症例により異なります。詳しくは初診時にご説明いたします。

★【ご予約・ご来院の前にご確認ください】

当院では、すべての患者様に公平で質の高い医療を提供するため、ご予約やキャンセルに関して一定の方針を設けております。ご来院の前に、以下のご案内をご一読いただけますようお願い申し上げます。

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【お問い合わせ】

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〒3001512 茨城県取手市藤代503

TEL:0297-82-4160

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