こんにちは。
ここ最近初診の方が急増しています。
新型コロナウイルスで外出が制限されていたため、その反動でしょうか?
ストレスで痛みが出てきたとか?
またそれとは別によくあるのが
「他院で入れた入れ歯が何度調整しても合わない」
という訴えで来られる方が凄く多いです。
そのほとんどが既に当院で入れ歯の治療を受けて、痛みなく食事ができるようになった方からの紹介です。
うちが看板も出していないにも関わらずに初診が途絶えない理由の一つが既存患者さんからの口コミによるところが多いです。
大体月々いらっしゃっている初診の方の9割~9割5分はどなたかからの紹介で来ていただいている状況です。
大変有難いのですが、逆にハードルが上がっているような気がしてハラハラします(笑)
基本的に私は入れ歯に対して専門的に勉強していたわけではないので、教科書通りの治療を提供しているに過ぎないのですが・・・
それでもやはり基本が大事なのか、皆さんに好評な入れ歯を製作することが出来ていると思います。
また入れ歯を作るときにいつも驚かれるのが、その回数です。
私としては教科書通り、あるべき流れでその回数が掛かっているのですが、
「今までそんなに入れ歯を作るのに何回も掛けてもらったことない!」
と毎回言われます。
というわけで、今回は、そんな入れ歯の作り方について書いていきたいと思います。
①型取り
最初に歯茎の状態や残っている歯の状態を把握する必要があります。
そのためにまず型取りを行うのですが・・・
一般的に型取りは既成トレーと言って、大体いい感じのサイズ感のものを選んで型取りを行います。
が、稀に既成トレーではうまく収まらないサイズの方などもいらっしゃいます。
そういった方には既成トレーで半ば無理矢理型取りを行った後に、個人個人に合った状態のトレーを作った上でそれを用いて型取りを行います。
それが個人トレーと言われるものになります。
個人トレーを用いるとより精度の高い入れ歯を作りやすくなりますが、これに対する保険点数がないため、保険の義歯で使用されているところは限りなく少ないと思います。
うちも余程合わない時以外は既成トレーで作っています。
②かみ合わせの情報を取る
次に図のように、ある程度の温度で柔らかくなるワックスを土台としたものを用いてかみ合わせを取ります。
ここでズレるとかみ合わせが狂った入れ歯になってしまい、噛むと痛かったり、そもそも噛めなかったりという原因になります。
かみ合わせの元となるワックスの土台を口の中に直接入れるのですが、歯に入らなかったり、着脱時に痛みが生じるようであれば調整していきます。
かみ合わせの高さの測定方法はいくつもありますが・・・どれを使うかは先生の出身大学や卒後の勉強で変わってくると思います。
私は基本的に自分の学生時代の知識を基にかみ合わせを取っています。
この取ったかみ合わせを元に技工士さんが咬合器と言われる機械に模型を装着し、人工の歯を並べ始めます。
③人工の歯を並べて試してみる
試適と言われる工程です。
この段階で、技工士さんが作ってくれた入れ歯の最終確認を行います。
ほとんど同じ形態で完成するので、この段階で見た目が気に入らなかったり、思っていたよりもかみ合わせがずれていたりすると修正する必要があります。
時間としては短時間の為、省略されてしまいがちではありますが、この工程で見なければならないことが非常にたくさんあるので私はここを省略することはまずありません。
④最終的な入れ歯の完成
①~③の工程を無事に終えるとようやく入れ歯の完成です。
ただし、入れ歯は、ティッシュ一枚分の厚みが違うだけで痛みが出ますので、必ず装着後何度も調整を行う必要があります。
なので、必ず装着した際に患者さんには
「実際に使うと絶対に痛みが出るので、痛かったら必ず来てください。痛いからと言って外して来院しなかったらいつまでたっても調整が進まずに終わりません。仮に痛くなくても認識できない程度の小さい傷が出来ている可能性は十分にありますので、次の予約には必ず来てくださいね。」
とほぼこのままお伝えしてます。
この「痛いからと言って外して来院しなかったらいつまでたっても調整が進まずに終わらない。」というのが非常に大事なところで、入れ歯の調整が早いタイミングで終了し、ご飯をしっかりと食べられるようになるかどうかはここで大きく左右されます。
また入れ歯は所詮道具の1つです。
要は自転車とかスキーとかと一緒で、使えば使うほど慣れていきますが、使わなければ使わないほどいつまでたっても慣れません。
慣れないだけならまぁいいんですが・・・1カ月以上使っていなかったりすると全く合わなくなるので、調整できる範囲を超えていたらまた上の①~④を繰り返して作り直すしかなくなってしまいます。
お金と時間が無駄にかかるだけになってしまいますので、
・作った入れ歯は医院が長期休みの時以外はしっかりと使う!
・痛かったらすぐに医院に電話!
の2点を守るだけでも半年後のご自身の食生活は大きく変わってきますよ。
Comments