東京都からお越しの30代女性の患者さんです。歯科衛生士として働かれている方で、左上の小さな奥歯2本の歯の間に昔受けた治療があり、そこがむし歯になっていたため相談の上、精度が高く良好な長期予後を最も期待できる可能性の高いダイレクトボンディングにて治療を行うこととなりました。
■ ダイレクトボンディングとは?
まず、今回行った治療についてご説明します。
ダイレクトボンディングとは、歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を直接お口の中で歯に盛り付け、天然の歯に近い形や色を再現しながら修復する治療法です。
銀歯などの詰め物と異なり、歯の色に合わせて治療できるため、治療跡が目立たず自然な見た目に仕上がります。
似たものに保険のコンポジットレジン修復があります。どちらもプラスチックを使用した治療方法のため、強度や物性に大きな違いはありませんが、予後には大きな違いがあります。
その違いについては以下のリンクをご覧ください。
▶ 保険のコンポジットレジン修復と自費のダイレクトボンディングの当院における違いはこちら
▼ 術前・術後
確認すると、詰め物の歯ぐき側にわずかなすき間ができ、そこを起点として内部でむし歯が薄く広がっている状態でした。
神経に近い深さも想定されたため、不必要に大きく削らず可能な限り残せる歯を残すことを意識して再治療を行いました。
まずはむし歯を見える状態にし、その部分のみをしっかりと除去。エナメル質部分は残せばよいというわけではなく、ある程度の厚みがなければすぐにチッピングといってかけてしまうので、十分な厚みを確保できる部分を残していきました。
今回は元々がコンポジットレジンだったのもあいまって、歯が大きく残っている状態でしたので、エナメル質も十分な量を温存できたと思います。これがメタルインレーだと危なかったので、前医の選択に感謝ですね。
充填前にラバーダム防湿を行い、湿度・唾液・その他湿気を遮断し、接着に適した環境を確保した上で行っていきました。
内部を段階的に充填してから隣の歯との間の形を整えるために隔壁を先に立ち上げました(右から2番目の写真)。充填後は噛み合わせを確認し、調整量はほぼ不要だったためそのまま研磨へ。
最後に表面を磨いて、舌触りがなめらかで清掃しやすい面、周囲となじむ色調と自然な溝の形を意識しました。
※再治療は、すでに削られている分だけ温存できる歯の量に制約が出ることもあります。今回は可能な範囲で歯を守る方針で進め、今後の管理がしやすい状態を目標にしました。
※術前・術後写真について
掲載している写真は、治療内容をイメージしていただくための一例(症例)です。お口の状態やむし歯の大きさ、噛み合わせ、生活習慣などにより、仕上がりや経過には個人差があります。また、写真はできるだけ同じ条件(角度・距離・照明など)で撮影し、治療結果を誤解なくお伝えできるよう配慮しています。本ページでは、写真とあわせて治療内容/治療期間・回数/費用/主なリスク・副作用も同一ページ内に記載していますので、あわせてご確認ください。
■ 当院のダイレクトボンディング治療における「こだわり」と「強み」
当院がダイレクトボンディング治療において、特に大切にしていることをご紹介します。
1. 歯を最大限守ることを最優先します
治療の基本は、ご自身の健康な歯を可能な限り残すことです。当院では精密な治療を可能にする10倍の拡大鏡(ルーペ)を使用し、虫歯に感染した部分のみを正確に、そして最小限に除去します。健康な歯を削りすぎることがないよう、細心の注意を払って治療を進めます。
2.「接着」技術への深い知見に基づいた治療
ダイレクトボンディングの予後(治療後の経過)は、いかに歯と詰め物を強力に「接着」させるかにかかっています。実は私(院長)は、歯科医師向けにダイレクトボンディング治療の指導も行う講師でもあります。「接着」に関する深い知識と技術に基づき、接着力を最大化するための全ての工程を丁寧に行うことで、治療した歯の耐久性を高め、詰め物が外れたり、隙間から虫歯が再発したりするリスクを最小限に抑えます。
■ 治療の詳細情報
【治療内容】ダイレクトボンディング法による歯の修復治療(2歯)
【費用】1歯あたり 50,000円(税込)
※本症例は【2歯】のため、合計【100,000円】です。
▶ 料金表の詳細はこちら
【治療期間】1回(約75分)
【治療におけるメリット】
自然な見た目:周囲の歯の色や形に合わせ、治療跡がほとんど分かりません。
歯を削る量を最小限に:虫歯の部分だけを削るため、健康な歯質を最大限温存できます。
1日で治療完了:型取りが不要なため、通院1回で治療が終わり、お忙しい方にも適しています。
再感染リスクの低減:仮の蓋をする期間がないため、治療中に歯が細菌に汚染されるリスクを防げます。
金属アレルギーの心配なし:金属を一切使用しないため、アレルギーの心配は少ないと考えられます。
修理がしやすい:部分的に欠けたりすり減ったりした場合でも、その部分だけを修理することが可能です。
【リスク・副作用】
経年により変色したり、磨耗したりすることがあります。
強度が天然歯より劣るため、硬いものを噛んだ際にまれに欠けたり割れたりすることがあります。
治療後に一時的な痛みや知覚過敏(歯がしみる症状)を生じることがあります。多くは時間と共に落ち着きます。
深い虫歯の場合、歯の神経の治療が別途必要になることがあります。
■ 院長の治療方針:「歯の治療は回数券」
歯の治療は「回数券」のようなもの
歯科治療は、一度治療をした部位が永久に持つわけではありません。時間の経過や日常生活の中で必ず劣化が進み、再治療が必要になる時がきます。私はよく患者さんに「歯の治療は回数券のようなもの」とお話ししています。
仮に歯の寿命を「20枚綴りの回数券」に例えます。
- ダイレクトボンディングの場合:1回の治療で消費するのは1〜2枚程度
- 部分的な金属の詰め物(インレー)の場合:3〜5枚程度
- 被せ物(クラウン)の場合:5〜10枚程度
この「消費枚数」が少ないほど、残りの歯質を長く使える可能性が高まります。
【ダイレクトボンディングの価値】
たとえば、ダイレクトボンディングで1回の治療が5年持った場合、クラウンと同じ消費枚数(5枚)に達するまでに25年かかる計算になります。もちろん、これはあくまで例えであり、実際の持ち具合はお口の状態や生活習慣によって大きく変わります。大切なのは「治療が必要になった際に削る量をできるだけ少なくし、歯質を残す」こと。歯は削る量が増えるほど再治療の難易度が上がり、持ちも悪くなる傾向があります。
【当院での治療の流れ】
当院は保険医療機関ですので、非常に小さなむし歯の場合は、保険適用のコンポジットレジン修復で対応します。しかし、より精度や持ちにこだわりたい場合は、自費診療のダイレクトボンディングをご選択いただくことも可能です。自費診療は保険診療に比べて予約時間を長く確保するため、1回の来院で治療できる本数が限られます。そのため、ご希望の場合は初診や予約時に「ダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけるとスムーズです。
■ 治療後のケアと万が一の際の対応
美しさを長持ちさせるために、治療後の艶やかで美しい状態は、定期検診での専門的な研磨(クリーニング)によって長期間維持できます。これにより、汚れが付きにくい状態を保ち、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。
保証について
本治療には、特定の保証期間は設けておりません。しかし、治療部位に何らかの問題が生じた際には、当院の責任において誠心誠意対応いたしますので、ご相談ください。
知覚過敏が出た場合の対応
ごく稀に、治療後に歯がしみることがあります。症状が続く場合は、歯の表面をレジンで一層コーティング(保護)する処置なども行いますので、我慢せずご相談ください。
■ このような方におすすめの治療法です。
- 銀歯などの金属の詰め物を白く、自然な見た目にしたい方
- できるだけご自身の歯を削らずに温存したい方
- 通院回数を少なく、1日で治療を終わらせたい方
- 金属アレルギーが心配な方
ご自身の歯の状態がダイレクトボンディングの対象となるか、また治療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。実際に適応可能かどうかは噛み合わせなどを含めて総合的に判断させていただきますので、初診時に判断させていただきます。
※自費診療をご希望の場合は、十分な治療時間を確保するため、ご予約の際に「自費のダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけますとスムーズですが、初診時に治療は行いませんので、その点はご注意ください。
■ 遠方からお越しの方・他院でお悩みの方へ
今回の患者さんのように、東京・千葉など遠方からお越しいただく方も多くいらっしゃいます。
また、「他院でむし歯がある」「治療が必要と言われたが、本当に必要か確認したい」という方のご相談も歓迎しています。
★【ご予約・ご来院の前にご確認ください】
当院では、すべての患者様に公平で質の高い医療を提供するため、ご予約やキャンセルに関して一定の方針を設けております。ご来院の前に、以下のご案内をご一読いただけますようお願い申し上げます。
【ご予約は24時間可能な便利なWeb予約をぜひご利用ください。】
【お問い合わせ】
坂寄歯科医院
〒300-1512 茨城県取手市藤代503
TEL: 0297-82-4160
URL: https://www.fujishiro-dental.com/