治療概要
| 主訴 | 詰め物の再治療後から続く慢性的な知覚過敏が改善しない |
|---|---|
| 診断 | 左上6番(上顎左側第一大臼歯)近心咬合面 二次う蝕・知覚過敏 |
| 治療内容 | ダイレクトボンディング(2級窩洞・ラバーダム防湿下)/知覚過敏原因部位の特定と充填 |
| 治療期間・回数 | 1回・約60分(自費診療枠) |
| 費用(税込) | ¥50,000 |
| リスク・副作用 | 経年的に変色や摩耗が起こる可能性があります/強い衝撃で欠けることがあります(修理可能)/術後に一過性の知覚過敏が生じることがあります/修復物の色調・形態には個人差があります |
茨城県龍ケ崎市からお越しの27歳男性の患者さんです。
約1年前に左上6番(上顎左側第一大臼歯)の近心咬合面にむし歯の再発があり、他院にて再治療(詰め物)を受けられました。しかし、その治療後から慢性的な知覚過敏が続いていたとのことです。
詰め物が原因の可能性を考え、詰め物を一度外して仮詰めの状態にし、知覚過敏の改善を試みる処置をいくつか受けたものの、症状は改善しなかったそうです。仮詰めのまま過ごすわけにもいかないため、本詰めに進みたいとのご希望で当院を受診されました。
ダイレクトボンディングとは?
まず、今回行った治療についてご説明します。
ダイレクトボンディングとは、歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を直接お口の中で歯に盛り付け、天然の歯に近い形や色を再現しながら修復する治療法です。
銀歯などの詰め物と異なり、歯の色に合わせて治療できるため、治療跡が目立たず自然な見た目に仕上がります。
似たものに保険のコンポジットレジン修復があります。どちらもプラスチックを使用した治療方法のため、強度や物性に大きな違いはありませんが、予後には大きな違いがあります。
その違いについては以下のリンクをご覧ください。
▶ 保険のコンポジットレジン修復と自費のダイレクトボンディングの当院における違いはこちら
▼ 術前・術後

仮封を除去したところ、仮封材として使用されていたグラスアイオノマーセメントがオーバーハング(はみ出し)している箇所がありました。この部分を除去した際に歯肉から出血が認められたため、ラバーダム防湿を行い、出血をコントロールした上で接着操作を進めました。
窩洞内には軽度のう蝕残存が認められ、一層削合して除去しました。知覚過敏の原因と考えられる歯質の露出部位を特定し、その部分もコンポジットレジンで被覆・充填しています。
隅角部(歯の角の部分)のエナメル質がほとんど残存しておらず、通常使用するリング(セクショナルマトリックスを固定する器具)が適合しませんでした。そのため、リングを使用せずにマトリックスを保持しながら充填を行いました。このような場合、隣接面の形態を再現する難易度が上がりますが、丁寧に操作することで適切なコンタクト(歯と歯の接触)を確保しています。
今回は「再治療(リトリートメント)」の症例です。他院での治療後に改善しなかった知覚過敏に対し、原因部位を特定した上でダイレクトボンディングによる本修復を行いました。知覚過敏の原因がどこにあるのかを見極め、適切に対処することが治療の鍵となります。
※術前・術後写真について
掲載している写真は、治療内容をイメージしていただくための一例(症例)です。お口の状態やむし歯の大きさ、噛み合わせ、生活習慣などにより、仕上がりや経過には個人差があります。
また、写真はできるだけ同じ条件(角度・距離・照明など)で撮影し、治療結果を誤解なくお伝えできるよう配慮しています。
本ページでは、写真とあわせて治療内容/治療期間・回数/費用/主なリスク・副作用も同一ページ内に記載していますので、あわせてご確認ください。
当院のダイレクトボンディング治療における「こだわり」と「強み」
当院がダイレクトボンディング治療において、特に大切にしていることをご紹介します。
1. 歯を最大限守ることを最優先します
治療の基本は、ご自身の健康な歯を可能な限り残すことです。当院では精密な治療を可能にする10倍の拡大鏡(ルーペ)を使用し、虫歯に感染した部分のみを正確に、そして最小限に除去します。健康な歯を削りすぎることがないよう、細心の注意を払って治療を進めます。
2. 「接着」技術への深い知見に基づいた治療
ダイレクトボンディングの予後(治療後の経過)は、いかに歯と詰め物を強力に「接着」させるかにかかっています。実は私(院長)は、歯科医師向けにダイレクトボンディング治療の指導も行う講師でもあります。「接着」に関する深い知識と技術に基づき、接着力を最大化するための全ての工程を丁寧に行うことで、治療した歯の耐久性を高め、詰め物が外れたり、隙間から虫歯が再発したりするリスクを最小限に抑えます。
治療の詳細情報
ダイレクトボンディング法による歯の修復治療(1歯)
【費用】 1歯あたり 50,000円(税込)
※本症例は【1歯】のため、合計【50,000円】です。
【治療期間】 1回(約60分)
治療におけるメリット
自然な見た目: 周囲の歯の色や形に合わせ、治療跡がほとんど分かりません。
歯を削る量を最小限に: 虫歯の部分だけを削るため、健康な歯質を最大限温存できます。
1日で治療完了: 型取りが不要なため、通院1回で治療が終わり、お忙しい方にも適しています。
再感染リスクの低減: 仮の蓋をする期間がないため、治療中に歯が細菌に汚染されるリスクを防げます。
金属アレルギーの心配なし: 金属を一切使用しないため、アレルギーの心配は少ないと考えられます。
修理がしやすい: 部分的に欠けたりすり減ったりした場合でも、その部分だけを修理することが可能です。
リスク・副作用
経年により変色したり、磨耗したりすることがあります。
強度が天然歯より劣るため、硬いものを噛んだ際にまれに欠けたり割れたりすることがあります。
治療後に一時的な痛みや知覚過敏(歯がしみる症状)を生じることがあります。多くは時間と共に落ち着きます。
深い虫歯の場合、歯の神経の治療が別途必要になることがあります。
院長の治療方針:「歯の治療は回数券」
歯の治療は「回数券」のようなもの
歯科治療は、一度治療をした部位が永久に持つわけではありません。
時間の経過や日常生活の中で必ず劣化が進み、再治療が必要になる時がきます。
私はよく患者さんに「歯の治療は回数券のようなもの」とお話ししています。
仮に歯の寿命を「20枚綴りの回数券」に例えます。
- ダイレクトボンディングの場合:1回の治療で消費するのは1〜2枚程度
- 部分的な金属の詰め物(インレー)の場合:3〜5枚程度
- 被せ物(クラウン)の場合:5〜10枚程度
この「消費枚数」が少ないほど、残りの歯質を長く使える可能性が高まります。
ダイレクトボンディングの価値
たとえば、ダイレクトボンディングで1回の治療が5年持った場合、クラウンと同じ消費枚数(5枚)に達するまでに25年かかる計算になります。
もちろん、これはあくまで例えであり、実際の持ち具合はお口の状態や生活習慣によって大きく変わります。
大切なのは「治療が必要になった際に削る量をできるだけ少なくし、歯質を残す」こと。
歯は削る量が増えるほど再治療の難易度が上がり、持ちも悪くなる傾向があります。
当院での治療の流れ
当院は保険医療機関ですので、非常に小さなむし歯の場合は、保険適用のコンポジットレジン修復で対応します。
しかし、より精度や持ちにこだわりたい場合は、自費診療のダイレクトボンディングをご選択いただくことも可能です。
自費診療は保険診療に比べて予約時間を長く確保するため、1回の来院で治療できる本数が限られます。
そのため、ご希望の場合は初診や予約時に「ダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけるとスムーズです。
治療後のケアと万が一の際の対応
美しさを長持ちさせるために 治療後の艶やかで美しい状態は、定期検診での専門的な研磨(クリーニング)によって長期間維持できます。これにより、汚れが付きにくい状態を保ち、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。
保証について
本治療には、特定の保証期間は設けておりません。
しかし、治療部位に何らかの問題が生じた際には、当院の責任において誠心誠意対応いたしますので、ご相談ください。
知覚過敏が出た場合の対応 ごく稀に、治療後に歯がしみることがあります。症状が続く場合は、歯の表面をレジンで一層コーティング(保護)する処置なども行いますので、我慢せずご相談ください。
このような方におすすめの治療法です
- 銀歯などの金属の詰め物を白く、自然な見た目にしたい方
- できるだけご自身の歯を削らずに温存したい方
- 通院回数を少なく、1日で治療を終わらせたい方
- 金属アレルギーが心配な方
- 他院での治療後に知覚過敏が改善しない方
ご自身の歯の状態がダイレクトボンディングの対象となるか、また治療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。実際に適応可能かどうかは噛み合わせなどを含めて総合的に判断させていただきますので、初診時に判断させていただきます。
※自費診療をご希望の場合は、十分な治療時間を確保するため、ご予約の際に「自費のダイレクトボンディング希望」とお伝えいただけますとスムーズですが、 初診時に治療は行いませんので、その点はご注意ください。
よくあるご質問
Q. ダイレクトボンディングとは何ですか?
歯科用の白いプラスチック(コンポジットレジン)を直接お口の中で歯に盛り付け、天然の歯に近い形や色を再現しながら修復する治療法です。型取りが不要で1回で治療が完了します。
Q. 保険のコンポジットレジン修復と何が違いますか?
使用する材料や施術の精度、時間のかけ方が異なります。自費のダイレクトボンディングは、より精密な器具と豊富な時間を使うことで長期的な予後の維持を重視しています。詳しくは▶ こちらのページをご覧ください。
Q. 知覚過敏はダイレクトボンディングで治りますか?
知覚過敏の原因が詰め物の不適合や歯質の露出にある場合、適切な接着処理によって症状の改善が期待できることがあります。ただし、原因が歯髄(神経)の炎症や咬合の問題にある場合は、別の処置が必要になることもあります。まずは原因の特定が重要です。
Q. ダイレクトボンディングはどのくらい持ちますか?
適切な接着処理と定期的なメンテナンスを行えば、長期間の維持が期待できます。ただし、お口の状態や生活習慣によって個人差があります。当院では治療後も定期検診でのフォローを行っています。
ご予約・ご来院の前にご確認ください
当院では、すべての患者様に公平で質の高い医療を提供するため、ご予約やキャンセルに関して一定の方針を設けております。ご来院の前に、以下のご案内をご一読いただけますようお願い申し上げます。
【ご予約は24時間可能な便利なWeb予約をぜひご利用ください。】
【お問い合わせ】
坂寄歯科医院
〒3001512 茨城県取手市藤代503
TEL:0297-82-4160