こんにちは。
とうとう11月が終わりになりますね。
来月は12月で年末年始の休みがある分、少し予約の取り方が特殊になることが多いですのでご了承ください。
また、年内での治療完了を希望される方がこの時期にいらっしゃることがあるのですが、歯科の分野は基本的に回数が掛る処置が殆どです。
自費診療オンリーとかならいざ知らず、通常は半年~1年くらいは治療にかかることが殆どですので、年内にはまず間に合いませんのでその点も注意しておいてくださいね。
さて、本日はダイレクトボンディングについてです。
最近はHPを見てダイレクトボンディングを希望するという一般の患者さんが増えてきました。
今までは基本的に歯科医師・歯科衛生士のような歯科医療従事者の方の希望が多かったので、結構ダイレクトボンディングという治療方法が認識されてきたのかなと思います。
ダイレクトボンディングのメリットは
・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。
・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。
・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)
・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。
です。
逆にデメリットとしては、
・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる
・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。
・保険が使えない為、高額(当院では3万円+税です)
材質的なデメリットは非常に大きいんですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。
一回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。
私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。
20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。
ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。
(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)
例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。
逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。
もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…
少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。
で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するっていう感じにしてほしいと思ってます。
また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。
だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんですよね。
当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。
さて、では実際の症例の方に移ります。
処置前の写真がこちらです。
大きな金属の詰め物が入っており、また後ろの歯にも大きく虫歯が出来ています。
どこかは少し分かりづらいかもしれませんが、金属を除去して・・・
虫歯を見えやすくすると・・・
こうなりました。
奥の方も非常に大きいのが分かるかと思います。
で、虫歯を取りきったのがこちらです。
左側の歯に見えているピンクのは神経の治療後に詰められるゴムです。
ある程度除去しておかないと、神経の治療の再治療リスクが上がるので、いつも、ある程度除去してから上物に移るようにしています。
深すぎてピントがあっていないですね・・・。
それだけでどれだけ深い虫歯だったのか分かるかと思います。
そして、充填終了後の画像がこちらです。
ある程度自然な仕上がりに出来たかと思います。
よく仕上がった写真を他の歯科医師の方にお見せして、治療したところはどこだ!って言ってたりするんですが、ピンポイントで言い当てられたことはあまりないので、プロの目も誤魔化せてるってのは結構嬉しいですね。
フロスなどでも引っ掛からないように仕上げてますので、そのまましっかりと使っていただけるかと思います。
長時間の治療お疲れさまでしたヽ(゚∀゚)ノ パッ☆
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