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  • 執筆者の写真三木雄斗

前歯の虫歯の治療で可能な限り歯を温存したケース。

こんにちは。

とうとう今年最後の更新となります。

本年も沢山の患者さんに来院頂き、本当にありがとうございました。

去年・今年と多くの遠方の方から当院を選んでいただきました。

今後も引き続き選んでいただけるよう技術の研鑽を続けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


さて、ここ最近遠方からの初診の方や歯科医療従事者からの問い合わせが非常に増えております。

また初診数増加に伴い、急患対応も多くなってまいりましたので、再度ご案内させていただきます。


【当院での初診の取り扱いについて】

当院は現在、予約の患者さんで3~4週間先まで完全に埋まっている状況になっております。

急患の場合は、コロナ渦も相まって、可能な限りお待ちいただかないよう予約の患者さんの治療内容等を考慮し、日時を指定させていただいております。

従って、どうしても「この曜日のこの時間で」などの希望される日時が限定的な場合は通常の予約をお願いしております。


皆様お仕事や私生活がお忙しい中、3~4週間お待ちいただいた上で予約を取っていただいております。

無理に初診の方の希望に対応することで予約の患者様の治療に影響を及ぼすことは、当院が目標としている「公平公正な医療の提供」には反してしまうと考えております。

痛みがあるなどの急を要する場合は、通常の予約枠ではないため希望の時間のご案内ができかねることを予めご了承ください。



さて、本日の症例写真もダイレクトボンディングについてです。

今回は都内より2時間掛けて通院してきてくださってる方の治療です。

では、医療法(医療広告ガイドライン)の兼ね合いで毎回書いている内容をまた今回も記載したいと思います。


ダイレクトボンディングのメリットは

・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。

・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。

・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)。

・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。


です。


逆にデメリットとしては、

・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる。

・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。

・保険が使えない為、高額(当院では4万円+税です)。


材質的なデメリットは非常に大きいのですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。


1回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。


私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。


20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。

ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。

(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)


例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。


逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。


もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…


少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。


で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。


また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。


だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。


当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。


先日来院されてから自費診療を希望された方がいらっしゃったのですが、保険と自費の治療ではその予約時間が大きく異なりますので、本数が制限されてしまい、来院回数が増えてしまうことがあります。


ですので、次回予約の際には「自費診療希望である旨を伝えておいていただければ幸いです。」



では術前の写真からです。



画像上の左側2本の歯の間が黒くなっているのがわかるかと思います。

ここが虫歯になっていて、内面で大きくなっているという状態でした。


軽く削ったのがこちらになります。



ちょっと色の違いが出てきたのがわかりますかね・・・?

写真のタイミングが悪くちょっとわかりづらいですね(-_-;)


そして虫歯を取り切ったのがこちらになります。



背面が抜けてしまうほど中で大きく広がってしまっていました。


そして虫歯の所につながって、歯の表面が茶色く変色しているのがわかるかと思います。

ここで問題になるのはこの部分を除去するかどうか。

実際この茶色の所は単なる着色で虫歯でも何でもない状態です。

ただ、見た目があまりよくないため、審美的に気になる場合はそこも取り切って詰めていきますが・・・そうすると歯の前面を大きく削る必要があるため、歯の温存という観点からはお勧めしづらい手法になります。

こういう場合は患者さんと話しながらその着色を残すかどうか決めていくのですが、今回は着色部分は残ってもいいので、なるべく歯を温存したいとのことでした。


そして、そうなると・・・

実は色を合わせるのが非常に困難になります(;^_^A

何せ通常のプラスチックの詰め物は白いのしかないですからね。

ここに白いのを入れるとどう考えても色が浮いてしまいますし、ここに詰めているってのが非常にわかりやすくなってしまいます。

自費の治療において、治療したのがここだと素人目にもバレるようなのはさすがに避けたいですので、歯の表面にステインというものを使用し、詰めてみました。


詰め終わって調整・研磨まで終了したのがこちらになります。



如何でしょうか?

種々のレジンを使用し、ステインにて違和感を消し去れたかと思います。

この工程をキャラクタライズと言いますが、こんな感じで個性の強い歯を詰めるときは非常に難易度が高いため、特殊な技術が必要になってきます。


無事に綺麗に違和感なく詰められて安心しました(○´ω`○)ホクホク


治療の術前術後の写真がこちらになります。



色がわかりやすくするために角度を変えていますが、こんな感じですね。

1日で治療が終了し、違和感なく調和させる・・・そして術者の技術に大きく依存するスキル・・・だから私はダイレクトボンディングが非常に好きなんですよね(o´艸`)ムフフ



さて、長時間の通院・治療お疲れさまでした。

なるべく長持ち出来るように、過剰に力を加えるのを避け、適切なタイミングでの食事を心がけてくださいねヽ(゚∀゚)ノ パッ☆

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