こんにちは。
今回は、保険診療について説明させていただきます。
保険診療とは、国民皆保険制度の下、国民全員が日本国内で
・安価に
・同じ水準の医療を
・保険医療機関であればどこの医院でも
受けることが出来る制度です。
この制度は世界的に見ても非常に優れており、全ての方が非常に安価に治療を受けることが出来るため、所得によって治療が出来る出来ないという事がほとんどありません。
そのため、日本が世界に誇れるものの一つです。
しかし、以下のような問題点もあります。
・どこの歯科医院で受けても金額が同じ。
これはメリットじゃないの?と思われるかもしれませんが・・・良し悪しです。
例えば、歯科医師免許取得直後の研修医が行った治療と、歯科医師免許取得後20年以上が経過したベテラン歯科医師が行った治療の金額が同じとなります。
当然、治療の質はもちろん、その治療の予後(簡単に言えば「どのくらい長持ちするか」です)も前者と後者では大きく異なってきますが、同じ金額なのです。
・どれだけ時間をかけても同じ金額。
例えば、1本の歯の治療に1時間かけても、10分で終わらせても同じ収入しか得られません。
保険診療で安定した収入を得ようとした場合、一人当たりにかけられる時間は15分と言われています。
・治療費が安すぎる

これは各国の根管治療費がマクドナルド何食分に相当するか?と言うのを表したものです。
(とある先生のスライドをそのまま写させていただきましたが、まずかったら修正しますので教えてください。)
これで見て頂くとわかるかと思いますが、日本での治療費は発展途上国よりも安くなっています。
そのおかげでどなたでもすぐに治療を受けることが出来ます。
逆に言えば、予防に対する意識を高くしづらくしてしまっているのです。
また、違法請求をしなければ赤字になってしまうような医院も出てきてしまいます。
・材料の制限が多い
保険内診療とは、保険で使用を認められている材料を使用することが義務付けられています。
ですが、その材料の審査は非常に複雑で長期間かかります。
そのため、他の国ではゴールデンスタンダードとして使用されている材料が保険で使用できるようになるまでは長い年月がかかってしまいます。
結果として、常時、型落ちの診療となってしまいます。

ただ最初に書きましたが、こういった欠点はあれども、
日本の保険制度が世界に誇れるのは確か
です。
では、保険制度についての説明が終わったところで、
次回から保険内診療の治療費を詳しく記載していきたいと思います。