こんにちは。
表題の通りなのですが・・・
日本メタルフリー歯科学会の学術大会に参加してきました。
非常に多くの情報を得ることが出来、嬉しい限りです。
保険内で「銀歯」として使用されている金属は金銀パラジウム合金と呼ばれるものを使用しています。
このリスクについては20年くらい前からテレビを始めとして多くの媒体で言われるようになってきましたが・・・
この学会に所属し、金属アレルギーについて知識を深めれば深めるほど、恐怖を感じますね。
ですが、現実問題「長期予後」を保険内の材料で考えた場合、残念ながら金銀パラジウム合金が第一選択になってしまいます。
コンポジットレジンもその物性の向上により「適切」な症例選択を行えば金属の詰め物よりも経過は良好なことが多いです。
なので保険診療であれば、
小さいものは可能な限りコンポジットレジンで治療して、虫歯のサイズが大きくなってきたり、かみ合わせや咬合力・クラックの有無などによっては金銀パラジウム合金を使用するのがベターとなりますね。
ですので、まぁうちに関して言えば今まで通りの診療で大丈夫そうです。
最近はパラジウムの価格高騰で、金属での治療を行った場合は赤字ギリギリになってしまう為、結構無理矢理コンポジットレジンで治療されてしまっているケースに遭遇します・・・。
確かに経営だけを考えれば・・・どんな場合でもコンポジットレジンで治療した方が圧倒的に良いのですが・・・
個人的にはそういう歯科医師になりたいとは思いませんね・・・。
そういえば、
「歯科医師による治療方針の違いや治療の材料の違いは何故起こるのか?」
という患者さんからの質問に対して、ある先生の、例えを用いた答えが非常に分かりやすく素晴らしかったので一緒に紹介させて頂きますね。
(記憶を元に書きますので、細かい所は違うと思います)
例えば、ある人から段ボールで家を建ててくださいとお願いされて、
Aさんは「(建てるだけなら)建てられるよ。」と答え、
Bさんは「(長期的に住むことは無理だから)建てられないよ。」と答えました。
この場合のAさんとBさんの違いは目指している目標の違いですね。
Aさんは「建てること」を目標とし、Bさんは「長期的に住めること」を目標としています。
これを歯科の治療に置き換えた場合は、こんな感じになります。
ある患者さんからレジンで治療してくださいとお願いされて、
A先生は「(治すだけなら)出来るよ。」と答え、
B先生は「(長期的に安定させることは無理だから)出来ないよ。」と答えました。
という感じですね。
通常ここまで両極端なことになることはあまりありませんが、()内の微妙なニュアンスの違いで歯科医師ごとに治療法が変ってくるんです。
とりあえず安く白くしたいのか・・・
長期的な経過を考えて治療してほしいのか・・・
どちらの歯科医師を望み、どの歯科医院を選ぶのかはご自身ですし、それによって10年20年後に違いが出てきます。
歯科医院選び・歯科医師選びは運任せではありますが、結局は自分の責任ですからね。
なるべく後悔の無い選択が出来ると良いですね。
ちなみに、私は後者側の歯科医師だと思っていますし、今後とも研鑽を積んでいくために学会などには積極的に参加したいと思います。
なのでA先生をご希望の方は、私ではご希望に沿う事が難しいと思いますので、予めご了承ください(;^_^A
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