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執筆者の写真三木雄斗

全体的に金属を白い詰め物に。

更新日:2021年4月11日

こんにちは。

前回も書きましたが、ここ最近遠方からの初診の方や歯科医療従事者からの問い合わせが非常に増えております。

初診数増加に伴い、急患対応も多くなってまいりましたので、再度ご案内させていただきます。


【当院での初診の取り扱いについて】

当院は現在、予約の患者さんで2~3週間先まで完全に埋まっている状況になっております。

急患の場合は、コロナ渦も相まって、可能な限りお待ちいただかないよう予約の患者さんの治療内容等を考慮し、日時を指定させていただいております。

従って、どうしても「この曜日のこの時間で」などの希望される日時が限定的な場合は通常の予約をお願いしております。

皆様お仕事や私生活がお忙しい中、2~3週間お待ちいただいた上で予約を取っていただいております。


無理に初診の方の希望に対応することで予約の患者様の治療に影響を及ぼすことは、当院が目標としている「公平公正な医療の提供」には反してしまうと考えております。


痛みがあるなどの急を要する場合は、通常の予約枠ではないため希望の時間のご案内ができかねることを予めご了承ください。


さて、では本日の症例写真は前回・前々回と続き、全体的なダイレクトボンディングについてです。

上下左右に分かれて複数本をダイレクトボンディングでの治療を希望されて2つほど隣の県から来院された方です。


じゃ、医療法の兼ね合いで毎回書いている内容をまた今回も記載したいと思います。


ダイレクトボンディングのメリットは

・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。

・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。

・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)

・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。


です。


逆にデメリットとしては、

・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる

・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。

・保険が使えない為、高額(当院では44,000円です)


材質的なデメリットは非常に大きいんですが、それを考えても患者さんにお勧めできるメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。


一回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。


私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。

20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。

ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。

(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)


例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。

逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。


もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…


少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。


で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。


また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。

だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。


当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。




さて、では写真の方に移らせていただきます。

すこし暗いので分かりづらいですが・・・

今回処置を行ったのはこの金属の部分です。

昔から、一般的な歯科医院では金属の詰め物を行うことが多かったのですが、それに対してコンプレックスを抱く方は実は少なくありません。

更に、金属はレントゲンを通さないため、虫歯になっていても、ある程度の大きさにならなければ見つけられません。

また金属自体が歯に対して亀裂を加えるような力を入れてしまうため、歯に亀裂が入りそこから虫歯になってしまう事も多々あります。


なので、歯の詰め物(被せ物ではなく、内面に詰める治療)においては保険の金属のメリットは硬いという一点以外では左程ありません。


ただ白いので治すにしても難易度が高い場合は、あまり得意ではない先生に無理矢理治療してもらったとしても良好な結果は得られづらいというのもあります。


結局はその担当医が一番オススメするものが一番良好な結果を得やすいので、私のHPを見たからと言って、無理矢理担当医に依頼するのは止めておいてくださいね。



さて、金属を外したのがこちらです。

歯の周りで黒くなっている部分のほとんどは虫歯ではなくセメントが黒く着色しているだけの状態ですが・・・

これは要はセメント部分が劣化しているから起こっているのです。

その為、その劣化した部分から内面に向かって虫歯が入り込んでいる場合が多々あります。

今回のこのお写真でも、非常に大きく虫歯が入り込んでいました。




虫歯を取りきったのがこちらの写真です。

綺麗な歯の色が露出したと思います。

ここまで大きく虫歯になっていたとしても、実は症状とかは特に出ないんです。

虫歯自体が刺激を遮断する効果があるので、本当に限界近くまで行ってようやく染みたりしてくるんです。


逆に言うと「痛みが出たら歯医者へ行く」というのは手遅れになってから行くことに他ならないんです。


虫歯は放置しても治りませんし、進めば進むだけ治療の選択肢は狭まっていきます。


現在の歯科医院への受診は「痛くなってから歯医者に行く」というスタイルではなく、「痛くならないために歯医者に行く」というのが一般的になっています。


国としても国民の健康管理に力を入れており、保険内で十分な管理が行えますので、是非「痛くならないために歯医者に行く」というスタイルに切り替えておくことをお勧めします。



さて、詰め終わったのがこちらになります。

違和感なく綺麗に詰められたかと思いますヽ(゚∀゚)ノ パッ☆


左から2番目が非常に大きかったので、今後痛みが出ないことを祈るだけですね・・・。


患者さんからは「歯が新品になったみたい!」って言って喜んでいただけました。


今回は遠方からの方なので、纏めて4本一気にやっていますが、基本的には疲れすぎるので2本ずつ行うことが多いです(;・∀・)




全体が写る写真は術前がこちらで


術後がこちらになります。


金属が一つも無くなり、綺麗に仕上がったかと思います!


なるべく長く使って貰えると嬉しいですね!


長時間の治療と遠方からの通院、お疲れさまでした!

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